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2017年09月22日

御嶽山研修終了

3連休は、木曾御嶽山に、研修に行っていました。

マニュアルメディスン主催のこの研修は数えて3年目。

先の2回は、息子がまだ中学生だったり、父の容体も安定しない時だったので、すぐにもどれそうもない長野まで3日間出向く勇気なく…。

3年越しの念願の参加でした。

毎回勉強会に滝行を間に挟む(というか年々回数が増え、今回は1日1回で3回の予定)のですが、今年は迫りくる台風の影響で、初日の1回だけとなりました。

滝行、参加の方向で、白い行衣(襦袢と鉢巻き、白い肌着)も購入していたのですが、いろいろお年頃で月経が押し気味…がっつりとかぶってしまい、今回は断念。

買った白襦袢はまた、鉢巻きにろうそくを挿して、藁人形握りしめて丑の刻参りにでも使います(ウソぴょん、笑)。

6時に京都集合だったので、前日18時に最後の方をお見送りしてからそのまま京都へ。
駅近くのドミトリーに前泊して、いつもの定例研究会でご一緒している勉強仲間の鍼灸師さんたちと車で一路長野へ。

宿にチェックインするより先に、滝場に集合。

わたしは鳥居の手前から、行にはいる人たちを手を合わせて般若心経を唱えながら待つだけでした。

先達の先生がなさる真言を唱えて印を切りながらの発声、手を合わせる音を岩のこちらから聞きながら(滝に打たれているお姿は岩陰に隠れてほとんど見えず)ずっと滝の落下点、水の流れを見ていたのですが…。

わたし、ちゃんとした滝って初めて見た(若ーいころに行ったカナダでナイヤガラの滝はみたことあるけど、あれは大瀑布?またちょっと別ジャンルな感)のですが、今回入れなかったもうひとつの滝も、そちらは人がいないので全景を見ることができたのですけど、落下しはじめと落ちてすぐ、落ちる半ばの岩に跳ね返るあたり、そして滝つぼと、まるでカメラのシャッタースピードを変えたような質感の違いに目を奪われ、なんというか、時間がわからなくなる感覚。

そしてそれは、2日めの忍者の末裔の先生の身体運用法の話の中でのボデイイメージにフィットするものでありました。

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いわゆる武道でいうところの「型」をお伝えくださった後、からだの動き、流れを水に例えてのイメージを先生がお話なさったのですが、それだけで、滝行に参加された先生方の中には、動きがピタッと決まる方もおられ…感覚、意識とその再現性の妙を感じました。

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からだもまた流体、流体である故の支持体としてのからだと動きのしなやかなコーディネーション。

武術の武、は戈を止めるとかきます。戦うためじゃなくて自分のいのちを守る、防御が武術なんです、とおっしゃる先生。

そもそも「忍者」ということばはなく、「仕えている殿様に、伝令や得た情報を確実に届ける為に、ひとりで生き抜いて戻るというお役目を持つ、サムライである」という矜持をもって「生き延びる知恵」を代々相伝で伝えて来られたことは、現代の日常の所作や躾をからだの使い方をつうじて、現代を生きる子どもたちにも意味を以て伝わることでした。

ずっと世を忍ぶ仮の姿(先生は幼少から武芸の達人であったお祖母さまから訓練された身体性を活かして、武術の道に進み、中国に留学されて、ずっと中国武術の先生をなさっていたそうです。おばあさまも日舞のお師匠様でもあったり)としてそういう家に生まれ育ったことは明かさず忍んできたが、時代の流れの中で、「そろそろ忍んでなどいられまい」とされたこと、今は一子相伝ではなく、ご自分のお子さんと同世代の子どもたちにも伝えていきたい事、身を明かすことでまた忍んでいた末裔同士のつながりがうまれ、未来に向けてやっていくべきことの広がりを感じたことなど、いろんなお話をお聞きしました。

「忍者」というと、なんだか孤高な印象、さらにその「末裔」ときくととてもミステリアスなイメージがありますが、「時代を生き抜く」ということについての形はかえていきながらもそのすべを伝えていこうとされる、現代を生きるひとりのひと、としてとてもチャーミングな方でした。

あとはいろんな手裏剣を見せていただいたり…。

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そうそう、名刺もいただいたんですが、忍者の名刺、ってあるいみ手裏剣並みにレアアイテムやな…と…大事にします、笑

剣術、棒術などで身体を動かして、それでもそんな大きな動きはしていない(むしろ抜く)はずなのですが、確実にいつもとは違うところを使ったらしく、謎な場所がいろいろ謎な筋肉痛になりました。笑

ほかにも3人の先生が専門分野からお話をしてくださった(うちのひとりは参加者としていらした大学の宗教学の教授がとびこみでミニ講義もあり)のですが、特に打ち合わせをなさった様子でもなにのに、なんとなくつながっているのは、不思議に思ったところ。

それぞれの先生方、お話しつくせないくらい、ボデイ、マインド、スピリットがつながる興味深いエピソード満載でした。いろんな学びがありますが、10年来ずっと学んできたここ、これがわたしの身体観や整体観のど真ん中にズバッとくるんだなあ…。これが好きなんだなあ、と思います。

そんなこんなの充実の3日間。

標高2000メートル、お山の中腹にあった会場のロッジは、通常は冬はスキー客に、夏場は御嶽教の信者さん(たくさんのお宮さんが山のふもとから中腹に点在し、お山そのものが神様のようなもの。新興宗教ではなく、修験道という古来のもの)の御参りや修行のための宿泊でいそがしくされるそうですが、こんな閑散期に、たくさんの人たちが登山でもなく修行でもなくご利用くださることははじめでて!と、帰り際にご挨拶したときにとおっしゃってました。

ですよね、笑

宿は五合目でしたが、すべての日程が終了した後、そこからさらにお山をあがって、御嶽神社に今年の研修を無事終えたご挨拶に。

帰り道、長い山道の参道をもどって、鳥居を眺めていましたら、それまで小雨が降り空は曇天、ガスで真っ白に覆われた御嶽山がおあしもとからさああっと雲がはれて、笑みおわすお姿は、ことばにならない美しさで。

空気が薄く、澄んだ感じは、ただ標高が高いだけではない…神様とかはよくわかりませんが、御霊山として古来からまつられたお山は、数年前のかなしい出来事も抱いてなお、そのお姿はどこか厳しいなかにやさしさがありました。

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行けて良かった。無事帰れてよかった。

関係ないですけど、長野も「ソースカツ丼&そば」の文化があるんですよね…
帰り道、宿場町の中で江戸時代から続くという老舗のお蕎麦屋さんにも立ち寄って、帰路につきました。

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世話役の先生のこまやかなお心配り、京都から車をだしてもらったりと、いつもお世話になってる仲間、10年来の勉強仲間との語らいの時間。感謝感謝の3日間でした。

ありがとうございました。

投稿者 あつこ : 2017年09月22日 00:45

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