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2016年01月12日

UNOの記事のアーカイブス①

今も連載を持たせていただいている「UNO」のコラムですが、昔は1ページでもっと字数も多くて、こんなん毎月よう書いてたな…とあぜんとするのですが、こないだからアーカイブを整理していて、あのまま読み捨てられてるのももったいなあと思った記事をあげて行こうと思います。

こちらは2011年秋のものです。

妊産婦さんが腰痛を訴えていらっしゃって、「骨盤がゆがんでるのかしら?ゆがんでしまったから痛いのかしら?」と心配される声をよく聞きます。が、骨盤のゆがみが痛みのすべてではありません。
連載当初からたびたびお話していますが、必ずしも「痛い場所が悪い。」というわけではないのです。

人類最大のストレスである重力に逆らって生きている以上、肩こりも腰痛も、唯一地面とつながっている足・脚が大きく影響しています。テーブルでたとえるならば、骨盤が天板とすると、脚が柱、足首、足裏が土台。
骨盤の歪みばかりに目がいきがちですが、土台となる足裏・足首の状態が悪いと、ベッドの上で骨盤調整しても立った瞬間にまた歪みます。

人間の足の骨の数は56個です。片足だと28個ですね。全身で208個ですから1/4もの量が足の骨ということになります。足は体を支える大切なパーツです。体重がかかり、それを支えながらも動きやすい構造となると、小さな骨がたくさん必要になります。

さて、これらの骨がうまくかみ合っていればいいのですが、運動不足で足の組織が緩んだり、合う合わないにかかわらず靴を履いたりすることで、足の骨のポジションがばらけたりひずみが生じたりしてきます。とくにハイヒールやブーツなど、趣向を凝らしたデザインの靴を履く機会の多い女性は骨の変位(位置がずれること)が起きたり、足首の動きをロックされてひざや股関節、ひいては上半身に影響を及ぼす割合が多い傾向にあります。

そうすると、いろいろと不具合が起きてきます。骨のポジションや足首の稼動域の制限で、一見関係のなさそうな筋肉の出力が落ちたりしてしまうことをはじめ、自覚症状がなくても、からだは持ち主のしらないところでひそやかにつじつまをあわせてくれているのですが、永きにわたると、影響がからだのほかの場所に出てくるのです。
股関節はちぐはぐになって(左右の前・後方転位と内臓の位置関係により、骨盤にはもともと必要なゆがみがあることは以前お話したかと思います)結果、下半身は安定せず、その不安定さをかばおうと、上半身は力みが抜けずつねに肩はこりやすくなります。

また、足裏には脚の筋肉の腱が集まっています。
運動不足の人は足のアーチ(土踏まず)を作るための筋力がないので偏平足になりがち。また、ヒールなどをはきすぎて甲高になり、土踏まずが高くなって外に体重が乗りやすく脛(すね)がねじれて、ふくらはぎと外側に足の肉が出っ張って、なにしても足が細くならないし、足首が動かないのでむくんでまた太くなるしというパターンも。
なんにしても足は疲れやすい。

「健康サンダル」ってありますよね。足裏にあたる部分にイボイボがついたあれです。
ホームセンターやバラエティショップなどで安く買えるので、普段、室内履きやちょっとそこまでのちょっと履きにされてる方もいらっしゃるかと思います。あのイボイボで足の裏のツボを刺激すること、それで「健康」と謳っているのかと思いますが、お安いだけに消耗も早い。それをソールの接着がはがれてつぶれ、甲を覆う部分は広がってぴろぴろになりぶかぶか、足の機能をしっかり使えない状態で、かかとをゆがませてすり足でぺたぺた歩いておられるのを見ると、それがちょっと履きであっても、ランダムに足裏を刺激するだけのイボイボツボ押し効果がその部分を補って「健康に至る」とはどうしても思えなかったりします…(笑)。

特に、妊娠中の方には、(連載を開始して5年来ずーーーっと言い続けてたいがいしつこいようですが冷やさないことも含めて)足をもっといたわって気にしていただけたらなあ…と願っています。後期にむくみやあしの攣りで悩まないためにも、早めのケアを。
「年のせい」と思うか、「お手入れ不足だなあ」と思うかでも、そののち何かをやるやらないかは別にして(笑)、からだへのまなざしは変わってくると思います。

気にしどころは、①足の指をつかえるようにする ②足首、ひざ裏を柔軟に ③その日のうちに疲れの半分でもリセットする(これも何度も書いてますが、入浴、睡眠時間を増やす、軽いストレッチなどをとりいれる)こと。
聞くのは簡単なんだけど、もう、自分でなにしたらいいか、なにがいいのか悪いのかよくわかんなくて、時間もなくて無理!!という方は、どうぞ、ご相談ください。
助産院さんでも、施術をさせていただいています。

投稿者 あつこ : 2016年01月12日 21:56

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