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2015年06月23日

ひとつぶだけ


父の日周辺は毎年荒れて大変やった息子。

小6の時、夜仕事から帰ったら

「今日、父の日やったやろ、だから、おれ、ひとつぶだけ泣いたわ。
なあ、抱っこしてや、おかあさん。
おれ、なんかいつもよりも甘えたい気分なんやって。」


なんて言ってたなあ…ということを勉強会の帰りの電車の中で思い出していました。

ひとつぶだけ泣く。

その言葉を繰り返しながら、昨日は帰ってきました。


中学に入ってからはもう何も言わなくなりましたが、ふたりでご飯を食べていたら、珍しく会話が続く中で

「おとうさんがさ、帰り際に必ずいうのが『おかあさんを守ってやれよ、頼む、な』って、そういってめっちゃ満足そうな顔して握手して帰るんやけどさ、『そんなん、お父さんができんかったこと、俺に言うなよ』っていつもいやな気持になってたんよ。おれ、小さい時は「うん!」っていいながらも、なんかもやっとしてたんやけど、そのもやっとした意味がやっと最近わかったわ。まあ、これからもそう言われたら『うん』とは言うけどな、勝手やな、大人って。ほんま大人のそういうとこ、嫌いやわ、うざい」

といってまた何か思い出したように機嫌が悪くなって、「ごちそうさま」と皿を下げてまた部屋に入って行った。

言われなくても流しに皿を下げるときは、「うまかった」のサイン。

昭和のオッサンか、と思いながら洗い物をして、たぶんまた1年後くらいにこのやり取りを思い出すのだと思う。

投稿者 あつこ : 2015年06月23日 09:14

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