« いっしょうもの | メイン | あと3名ほど… »

2012年05月26日

すてきな詩なので、シェアします。

「わたしにふれてください/Please Touch Me」
Phyllis K. Davis 訳;三砂ちづる



もしわたしがあなたの赤ちゃんなら

どうぞ、わたしにふれてください

今までわたしが知らなかったやさしさを

あなたからもらいたい

おふろにいれてください

おむつを替えてください

おっぱいをください

きゅうとだきしめてください

ほおにキスしてください

わたしの体をあたためてください

あなたのやさしさとあなたのくれる快楽が

わたしに安心と愛を伝えてくれるのです




もしわたしがあなたのこどもなら

どうぞ、わたしにふれてください

いやがるかもしれないし、拒否するかもしれないけれど、

何度もそうしてください

わたしがどうしていやがるのかわかってほしいから

おやすみなさい、だきしめるあなたの腕が

わたしの夜を甘くしてくれる

昼間にみせてくれるあなたのやさしさが

あなたの感じる真実を伝えてくれる




もし、わたしがあなたの思春期のこどもなら

どうぞ、わたしにふれてください

もう大きくなったんだから、なんていわないでください

あなたがわたしにふれるのをためらうなんて

思いたくない

あなたのやさしい腕が必要です

あなたのおだやかな声を聞きたいのです

人生は困難なもの、とわかった今、

わたしの中の小さなこどもがあなたを必要とするのです




もしわたしがあなたのともだちなら

どうぞ、わたしにふれてください

あなたがだきしめてくれると、

わたしはあなたにとってたいせつな人だとわかるから

あなたのやさしさが、おちこんでいるわたしを

かけがえのない存在であることを思い出させてくれるから

そしてひとりではない、と思い出させててくれるから

私にやすらぎをくれるあなたのありよう、

それだけがわたしが信じられるもの





もし、わたしがあなたの愛のあいてなら

どうぞ、わたしにふれてください

あなたは、情熱さえあれば、十分と思うかもしれない

でも、あなたの腕だけが、わたしのおそれをとかしてくれる

あなたのやさしくおだやかな指先をください

あなたにふれられて、わたしは愛されているということを

思い出すことができる

わたしは わたしなのだ、ということを

思い出すことができる




もしわたしがあなたの年老いた父親なら

どうぞ、わたしにふれてください

わたしには、抱きしめるべきわたしの家族はもういるのだけれど

それでも、傷ついたときには、

おかあさんとおとうさんに抱きしめてほしい

おとうさん、あなたといるとすべてがちがってみえる

わたしが、大切なわたし、であるとおもいだすことができる




もしわたしがあなたの大きくなった息子なら

どうぞ、わたしにふれてください

あなたがちいさかったときに

わたしがあなたにふれたと同じように

わたしの手をにぎり、わたしのそばにすわって、

わたしを力づけてください

わたしの疲れた体によりそい、あたためてください

わたしは随分しわくちゃになってしまったけど、

あなたのやさしさに力づけられる

どうぞ、何もおそれないで

ただ、わたしにふれてください


投稿者 あつこ : 2012年05月26日 17:59

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://tsuruga.xsrv.jp/mt/mt-tb.cgi/1692

コメント

コメントしてください




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)