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2008年10月04日

わたしにはスタートだったの、あなたにはゴールでも

夢枕.jpg

先日、久しぶりに見えたクライアントさんに

「もう、あんまり痛くて痛くて、イタイイタイと思いながら寝たら夢の中にのぞみさんが出てきて、『わたしの言うことをなんでも聞くなら、そのわき腹の痛みを瞬時にとってあげます。どうしますか?』って言われて、『あーもう聞く聞くなんでも言うこと聞くから早くなんとかしてー!』って言ったらシップみたいなのをぺたって貼られて、『ああ!痛くない!』っていう夢を見ました。」

って…ナニの取引してんだわたし…。


まあこれで痛みがとれたら万々歳なんでしょうけど(笑)そういうわけにもいかずおいで頂いたわけなんですが…お子さんふたりの子育てに追われながらお仕事をしておられるSさん…慢性の疲労に加えてお子さんから風邪を貰って変な咳が止まらず…だましだまししつつそれでもお仕事は休めず…と無理がたたって、肋骨に響くような痛みが…。


全体の緊張をトーンダウンさせて、うとうと寝ていただいてるうちに、四肢(末端)の動きを広げて、手首、肘のねじれ(美容師さんなので、ねじれが腕から体幹にすぐもっていかれちゃうんですよね)を修正、幾たびか寝ぼけながら動作確認をして痛みが出なくなったところでもういちどネムネムスイッチを押してグーッと寝ていただく。


起きていただいて、立位で動いたり、痛かった場所を触れていただくと「ああー!痛くない!」と、Sさんにっこり。


聞けば、仕事の帰りに子どもさんを保育園からピックアップ、バタバタと夕食の準備、ぐずるお子さんたちをなだめながら夕食、入浴、寝かしつけ、あと片付け、明日のごはんの下ごしらえ、登園の準備…とやっとほっとできるのはいつも12時過ぎ、朝5時過ぎには下のお子さんが起き出してグズグズ…やれやれと起床、朝の準備…という毎日。

すっかり痛みが消えて、さっそく「帰ってからあれしてこれして…」という次の段取りで主婦スイッチが入りかけたSさんでしたが、それをちょっとがまんして、帰宅してからお子さんのお迎えまで、30分でも1時間でもいいから横になって眠ってもらうようおすすめする。

どうかなーと案じていたらその後メールをいただきました。(ご了解を得て紹介します)

『あれから、家に帰って夕飯の準備したいな~と思いながら、グッとこらえて一時間寝てみました(素直に)身体が一段と軽くなり、時間の経つのもゆっくりに思いました。気持ちもプラスになりまた、カンバル気力がわきました☆土曜日は運動会なのでポニョダンス張り切ってしてきま~す☆ありがとうございました!!!』


睡眠は一番のおクスリですが、その睡眠をとる時間もままならない、疲れすぎて眠りが浅く、疲労回復に結びつくような質のよい睡眠をとることもむずかしい…。痛みがとれれば「治った」と思ってしまいがちですが、痛みをとる意味とは、疲労を回復しうるような状態に持っていけるためのスタート地点だと思っています。

治すのは施術者ではなく、自分自身。
施術者が出来ることは、回復に向かうために、すこしでも心地よくやすむために暖かい毛布をかけてあげること、また歩みだすために、おにぎりをにぎってあげること、一杯の水を差し出すこと。究極の施術とは、そういうものであり、まだまだその道は険しいですがそうありたいと願っています。


からだは、自分の所有物ではなく、自分がからだの一部、だと考えてみてください。

いつも、からだがそのあらゆる力を総動員して、からだの一部である「わたし」を守ってくれているんだということを、どうぞ、忘れないであげてくださいね。


(このエントリーは、今号の月刊ウノのエッセーにも掲載予定です。ご了承ください)

投稿者 あつこ : 2008年10月04日 21:21

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