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2016年04月21日

施術雑感


「産後、こんなにつらいならもう、二人目はあきらめようかと思ってました」と、産後間なしのメンテに伺った先のママさん。

産後の回復が思うようにいかず、日常生活も赤ちゃんのことは人の手を借りて、いまは自分のことだけで手いっぱい、というところ。
真面目なママさん、そこがまた、苦しいところでもあり…。
「これ、いつまでつづくのだろう、わたしはこの先、ちゃんと子育てができるのだろうか」という不安感あり…。

痛いのは腰なので、骨盤をなんとかしないと、と思いがちですが、今触るべきなのは腰ではなくて、腰を支える脚でした。

妊娠中のお腹が大きいときの身体の使い方を産後もしていると、そのひずみは早かれ遅かれ現れます(これが原因ということではなく、ほかの、切り分けできない様々な状況のなかで、トリガーにも回復の遅さにもなる、ということ)。

彼女はそれが、とても早かったので、ショックも大きかったのでしょう。そんな言葉がおもわず出てしまうくらいなのですから。

立ちすわりの不自由さは、妊娠中や産後安静による筋力低下だけが原因ではありません。

こんな時は筋トレではなく、まず、リラックス。
安静にできるからだ、を感じてもらう。

施術者による「なおしてもらう」ものではなく、かつて、自分がしていたこと、できていたことを思い出していくプロセスを丁寧にたどる。

身体を預けれる状態を。
座った時、寝たとき、はもちろん、立った時でさえも、身体は預ける場所を求めている。

骨、は重力線上において、非常に安定かつフレキシブルなガイドラインになります。

ただ、筋緊張がつよいと、張力が邪魔をして、ガイドとなり得るポジションに骨があそびを持たず、本来の関節運動が引き出せなくなります。

ていねいに、ゆび、足の甲、足関節、膝、関節運動をひとつひとつ、、そしそれに関連の動きをつなげていく。

のちに立ち上がってもらい、あるいてもらうと、身体の真ん中に体重が乗る感じがして、力んでいた肩や引き過ぎた肘がゆるりと下に下がり、下半身に自然に重みがかかり、安定した下半身に上半身はすっと立ち上り、不安げに足もとに視線を落としていた目に光が宿る。

この日は、ここまで。
動けちゃうと、つい、動き過ぎちゃうから…。

「こんなことならもっと早く来てもらえばよかった」とおっしゃったけど、その時期その時期の段階がある。

きっと、行った日はそんなタイミングだったんだろうな。

うちなるちから、に、ただ、手を添えたい。
うちなるちから、を、知ってもらいたい。

それはだれのものでもない、ご自身が知っていたことなのだと。
ただ、忘れていた、気づいてないだけなんだと。

投稿者 あつこ : 2016年04月21日 00:01

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