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2015年09月25日
いちぢくを炊く
燃えるように咲いていた彼岸花も色あせて、またひとつ、秋が深まったような肌寒い朝。
連休が終わるのを待ってくれていたかのような、雨、雨の昨日、今日です。
昨日の夜更けから、1キロほどのいちぢくを、ジャムにしました。
正直なところ、味覚的には好きか嫌いかよくわからない、ぼんやりした感じなのですが、それでもなお、なぜか心惹かれる…。
毎年、いくたびかいただいたり求めたり。
そしてかならず一度はジャムを炊きます。
かたち、その色、熟れていくさま、ひらいた中のようす、香り…いちいちそんなことを挙げるのすらやぼにかんじますが…。
性というか、いのちというか…。
その枝は強くすべすべでしなやか、のびやかにおおきく手のひらを広げたような葉、そして、女性ホルモンにも似た成分があるという説を聞くまでもなく、まるごとそのまま、「女性」という感じがこちらに飛び込んでくる、その、深い印象。
花をそとに咲かさずとものちに実をつけるとおもいきや、おどろくことに、軸の肥大したものであり、その実のようなものの内なる細かい種のようなつぶつぶが実はたくさんの花であるということも、初めて知りました。
不思議なくだものです。
一昨日の北斗晶さんの乳がんのこと、昨日の川島なお美さんの訃報、個人的に近しい人の近況、昨日、久しぶりにおいでくださった同世代のクライアントさんとお話した、いのち、余命、残すこと、残されること…。
同じ時代を生きる女性として、こころの奥の方がすこし重く苦しくなるような知らせや想いに触れ、わたくし自身ならばそのとき、どう在るのだろうか、と胸のうちに問うことを止められないまま、いちじくを炊いていました。
とはいえ、思い至るものはまだまだ遠く浅く。
限りあるいのちを知った人たちから、語られずともお伝えくださることは、自分の大事にしたいもの、ひと、こと、を、せいいっぱい大事にしようと思うこと、なのだなと思うしかできない夜でした。答えは出ないし、出さなくてもいいのだな、とも思います。
みなさん、お元気でいてくださいね。
投稿者 あつこ : 2015年09月25日 09:45
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