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2013年03月20日

吉川、野球やめるってよ

「おかあさん、今日、ぼく、初めてファースト守ります。打順は五番です。」

日曜日は、久しぶりの練習試合でした。

一軍戦が終わり、続けざまに二軍が集められてオーダーを言い渡されてすぐ、「昼食を間にはさむのかなあ」とグラウンド整備をする両チームのお父さん方のトンボさばきを見ながら少しぼんやりしていた私のところに、息子が目の前に駆け寄ってきて、いつもは「おれはよ」なんて威張った顔で言う息子が直立していつになく厳かに、かつきっぱりと言うので、まだ試合も始まってないのに、泣いてしまった。
日よけにかぶっていたタオルで、試合中も泣いてる事はわからないと思っていたけれど、息子は気がついていたようでした。

途中から守備位置がもとのあんまり球が飛んでこないところに替わって気が抜けてしまい…ファーストの守備も百歩譲ってさらに大目に見て及第点の及ですけれど(笑)、あんなに自分を、まわりを奮い立たせるような声を出している息子を初めてみた。

この数ヶ月、もう野球辞める、絶対辞める、おれは野球じゃなくて、居場所がほしかった、でも、もうおれはむり、運動神経のいいやつにおれのなやみなんかわかるわけないだろう、おとうさんがキャッチボールしてくれるやつに、おれのさみしさはわからんだろう。もう、勉強も、野球も、なにもやる気がでないんや。もう自由にさせてくれ、という息子に、今までは練習は何があっても休むな、帰ってからちゃんと宿題すませろよ、寝言は寝てから言えよ、と聞く耳ももたずにいたけれど、時には練習を休ませて、時には一緒に出かけて話を聞いて、仕事も早めに切り上げて、いらいらをぐっとこらえながらいっこうにはかどらない宿題をみて…時には殴りあい蹴りあいもしながら、枯れるんじゃないかと思うほど泣いて泣いて、いっしょに考えてみることで、すこし違う方向を向いて、ようやく、落ち着こうとしています。

いっそのこと、辞めてしまえば、遅れていた勉強の時間、野球以外のいっしょにただ過ごす時間、いろいろあきらめていた自分の学びの時間、土日に休まざるを得ないなかでこの数年悩んでいた経営の問題…それ、解決するよな?と、わたし自身もぶれまくりました。

でも、辞めさせたくなかった。
わたし自身、苦手なものへの集中力がない、押しが弱くて一歩引いてしまうくせがあるなかで、あきらめて手放してきたいろんなもの、こと。

それがいつもこころの奥のほうでしくっと痛むたび、息子にそれを味わわせたくない、と思った。

そして、彼が話し合いをする中で泣きながら

「おかあさんと、おれはおなじところでつまずいとる」

と私を見据えたあの目に、はっとした。
私以上に、息子がわかっていたんだな。と。

「辞めるんやから、スパイクも新しいのはいらん、買う必要はない」と言い張り続けていたのですが、やっと、新しいのを履いて、練習に行きました。

でも、まだ、揺れているんですけどね。

今日もそれように抜けて見に行けるように時間も取っていたんですけれど、今日も結局、試合があったんですが、休んでしまいました。
前日は前年度にお辞めになった、大好きなコーチも来て、いろいろ話して、楽しかった、とすっきりした顔で帰ってきたのですが…。

チームメイトも、静かに見守ってくれているようです。
それに、気づいたことも、大きいようですが…。

難しいね。

気づいたら、今週末には春休みに入ってしまいます。
早いなあ。

先週、今週と育休あけカウントダウンのお母さん方ラッシュでした。
いろんな思いをもって、最後の10日ばかりを、お子さんと過ごしていらっしゃる。
この頃のわたしは、どんなふうに、子どもをみていたのかなあ。
走り回るお子さんたち、泣き叫ぶ赤ちゃんたちに声をかけながら、おかあさんたちの張った背中、がちがちのあたまを緩めながら、そんなことを考えていました。

ちょっと前までは赤ちゃんだったかわいいknightくんも、妹ちゃんとたくらみ顔をしながらすっかりお兄ちゃんの気配。

「おみやげだよ、ばあばのお庭で咲いていたよ」と小さい手で手渡してくれた、さざんかと沈丁花。
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過ぎていく季節と、新しい季節のまじったにおいがいたします。


さよならの季節、始まりの季節。
がんばります。

投稿者 あつこ : 2013年03月20日 18:43

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